シンプルと言うのが非常にポイントで、シンセサイザーにプリセットされている一般的なリード系の音色は、音色に厚みを持たせるためにディチューンをかけたりオシレータを複数使用しています。この様な音色は、エフェクト的に使用するには面白いと思いますが、より機械的な音色になるためRoger Troutmanの音からは少し離れて行きます。つまり、高機能なシンセサイザーは必要ないと言うことです。
Roger Troutmanは、70〜80年代はMoog Music社のMinimoog、90年代はYAMAHA社のDX 100を使用(DX 100を使用する間際にYAMAHA社のDX 7も一時的に使用)して来ており、ほとんどの名曲のレコーディングにMinimoogが使用されています。このことから、シンセサイザーにはアナログ/アナログモデリングシンセサイザーまたはFMシンセサイザーを使用するのが無難と言えます。
右側のビデオは、名曲であるSo Ruff, So Tuffのライブビデオで上から1998年のAruba Sinbad's Soul Festival、1993年のSummer Jam San Francisco、1989年のBET Summer Showcaseです。1989年ではMinimoogを使用し1993年と1998年ではDX 100を使用しています。Minimoog使用時とDX 100使用時では、Talkboxの音がかなり異なっている(レコーディングの品質も若干影響していますが)ことが分かりますが、いずれもRoger Troutmanと分かる特徴的な音です。
この様に、Rogerのスタイルに必要な音色は、太い高音域とエッジの立った低音域を両立しなければなりません。また、モノフォニックであることも重要な要素です。これらに加えて、モジュレーション/ピッチベンドを駆使することによりRoger Troutmanのスタイルに近づけます。