モジュレーション
Talkboxで歌を歌っている様にプレイするには、ビブラートが必要不可欠です。しかしながら、Talkboxは構造的に自分の口や喉で音色に自然なビブラートをかけるのは不可能です。ここで登場するのがシンセサイザーに備えられたモジュレーションと言う機能です。鍵盤が装備されているシンセサイザーには、モジュレーション用のコントローラが装備されています。MiniMoogやDX 100に装備されているホイールタイプの物、Korgの製品に装備されているジョイスティックタイプの物など形状は様々ですが、モジュレーション用のコントローラを動かすことによりビブラート効果を得ることができます。
DX 100のピッチベンドとモジュレーションホイール
一般的にモジュレーションとは、三角波や矩形波等の波形を使用したLFO(Low Frequency Oscillator/ロー・フリケンシー・オシレータ)と呼ばれる低い周波数で周期的に音をモジュレート(変調/揺する)させることを言います。波形に三角波を選び音程をモジュレートさせるとビブラート、音量をモジュレートさせるとトレモロ、音色をモジュレートさせるとワウになります。波形に矩形波を選び音程をモジュレートさせると救急車のサイレンになると言う訳です。
自然なビブラート効果を得るためには、波形に三角波を選びモジュレーション用のコントローラを徐々に前方へ動かし、モジュレーションの振り幅(音程の揺らぎ)を徐々に広くすることでリアルなビブラート効果を得ることができます。
- DX 100での一般的な設定は、LFOの項目でWAVEにtriangl、SPEEDは31、DELAY/PMD/AMDは全て0、SYNCはON、MODULATION SENSITIVITYの項目でPITCHを6に設定します。
- Minimoogでの一般的な設定は、オシレータ3をLFOとして使用しますのでOSCILLATOR MODULATIONをON、RANGEはLO、FREQUENCYは+4、WAVEFORMは三角波に設定します。
ピッチベンド
ピッチベンドは、音程を滑らかに上下移動させるためのコントローラです。音程を滑らかに上下移動させるには、シンセサイザーのモノフォニックモードでポルタメントまたはグライドでも表現できますが、これらは鍵盤を押して移動するため滑らかですが音程感が出てしまいます。ピッチベンドは、これらに比べてリニアな音程の移動が可能です。しかし、あまりにも多用するとシンセソロの様に聞こえてしまい、歌を歌っている様な感じが出なくなります。歌を歌っている様なピッチベンドの使用方法は、本音を鳴らした瞬間にほんの少しだけ上または下へ(半音または半音以下)移動させことです。これにより平坦なプレイではなくウネリが表現できます。